正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

「正社員」の身分を得るための就職活動 ③

面接は5社から6社ぐらい受けたと思う。
不動産、旅行、小売業、など業界はすべてばらばら。
どれも設立年度の浅い、中小企業。
よく言えば、スタートアップ・ベンチャーか。
面接の練習などしていないものだから、やたらうまくいった面接と、やたらダメな面接と両極端だった記憶がある。
「君大丈夫か?」と、真顔で面接官に言われた出来栄えの面接もあった。

11月、数社から内定を受け、最初にオファー頂いた会社に即決。
3ヶ月とはいえ、慣れないことをして疲れた記憶があった。

オファーを受けたのは、設立3年目の海外専門の旅行会社。
朝の出勤時間、カラスが歩道脇のゴミ箱を漁っている西池袋の繁華街から外れた、小さな雑居ビルにその会社はあった。

面接は3回あったと記憶している。
2回は社長と副社長の2名と、1回は応募者同士のディベートだったような記憶がある。
面接内容は、あまり記憶がない。
というのも、自分から積極的にアピールしたこともなかった。
筆者が選ばれたのは、他の男性応募者に目ぼしい人物がいなかったからだと思う。
女性の応募者は優秀な人が多く、その中の4名とは翌年春から同期となった。
同期となった女性達は、就職氷河期でなければ、応募はしないレベルの大学から来られていると思った。

社名は、アップルコンピュータにインスパイアされたという。
当時、社長は確か45か46歳、副社長は40ちょっと過ぎだった。
2人で設立したという。
正社員とアルバイトを含め15名ほどの会社で、初めて新卒を採るという。
しかも6名も。

社長は 、ベンチャー社長というより、中小企業の地味で堅い社長のイメージを醸し出していた。
小柄で寡黙。
入社後、ゴルフと演歌が好きで、派手な服装の女子社員に眉を顰め、制服の導入を真面目に検討していることが分かった。
一方の副社長は背が高く、やり手、新しもの好き、声の大きいのアイディアマンの印象を受けた。
一人だけマッキントッシュを使っていた。
入社後も 副社長のイメージは変わらなかった。

会社のことも何もわからない、旅行業界のことも何も知らない興味もない、社長や副社長と面接したところで相手の何を知る訳でもない。
月の給料を聞いて、そんなもんでしょうと。
賞与とか福利厚生とか全くの無頓着。
交通費が全額支給ならいいと。
決め手は、ただ「正社員」での入社。
入社をする頃には、貯金をし、2年で辞めて海外の大学院にでも行こうかと考えるようになった。
要するに、仕事に対するイメージも希望も目標も何もなく、アルバイトの延長の就職だった。

12月中ごろに会社のクリスマス会があり、そこに来春新卒入社予定の6名も参加してもらってご挨拶を、と会社から連絡をもらった。
確か手紙だったと思う。
「行くのが億劫だ。」と思ったので、欠席の電話をしたら、電話口に出た女性に怒られた。
しょうがない出席するか。
出席したら、カラオケ大会が始まった。
カラオケは大嫌いだった。
今でも好きでない。
酒はあまり飲むほうでない。
筆者は、飲めば顔がすぐに赤くなるからだ。

 時は進んで入社1年後ぐらいの懇親会、「君は酒も飲まないし、カラオケも歌わない。そんなことで酒の場が盛り上がると思っているのか?」と、少し赤い顔をした社長に説教されたことがあった。
さらに、「目の前に大事な契約をぶらさげたお客様との酒宴の席でも、君は何もしない気か?」と。

社長の言葉は今でもよく覚えている。
その時は、「はあ」ぐらいの返事で、心の中は(つまんねーな)といった調子だった。
「飲んで歌うたって契約取れるならバンバンします!社会人って楽勝なんですね。」ぐらい言えばよかったと、今でも思っている。

「社会人」になるにしては全く心もとない心構えで、4月を迎え、新入社員として入社をすることになった。
そしてこの最初の会社で、筆者は、筆者にとって強烈な体験を幾つもすることになる。

その後の筆者のキャリアの考え方に、多大な影響を与えたことは言うまでもない。

「会社員」とは「サラリーマン」とは何ぞや。
筆者はこの社会人1社目の 林檎マークの中小企業で考えた。
大いに悩んだりもした。

 

学生時代読んだ千葉敦子さんの本の表紙のイラスト。

カラオケで歌う男、書きながら思い出した。

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