正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

【1社目】とりあえず正社員で社会人になった!③

大手の手厚い福利厚生を耳にすれば、社会人1年生の筆者も羨ましいと思った。
しかし学生時代、たいして親しくない人にも「君はサラリーマン無理でしょ?」とよく言われていた己の身分。
「自分は万が一入社できても、やっていけないから」と、すぐに諦めというか割り切った気持ちにもなった。

お、なかなか羨ましい!と、当時の筆者が思った話はいくつもあった。
先輩筋の方が某有名商社に入社し、その方は入社後は「起業、起業」とよく言っていた。
ベンチャーがちょっと流行していた頃だ。
ただ当時は、太陽熱温水器を強引に販売訪問するような会社をベンチャーと称賛していた。
しばらくして会ってみると、「有名商社で女の子にもててなかなか辞められない。周りもチヤホヤしてくれるしさ!」と嬉しそうに申していた。
大手のサラリーマンは一度入社したらなかなか辞められない。
でも企業はずっとは続かない。
その商社は、その後99年には500億円以上の赤字決算をし、賞与もたいしてない時期もあったと聞いた。
競馬の予想目当てで買った夕刊紙に、”有名商社の妻になったのに、ボーナスがなくて恥ずかしいわ”云々の記事がその社名とともにあった。
その先輩筋は、元気にしているのかなと記事を読みながら思ったものだ。
その後その商社は、もう1つの商社が存続会社となり、吸収されて当時の社名は今はない。

また、大手航空会社に入社した同級生の女性に、「うちは4月入社の新卒にも夏のボーナスがでる」と言われてびっくりした。
まじですか!
筆者は仰天した。
4月に入社して、長い期間研修だろうに。
会社の業績に貢献したんですか?
もう6月に賞与が出るのですか!
一種の入社祝いですか!

筆者の初年度の夏のボーナスは、百貨店の商品券1万円分だった。
C営業部長が新卒6名をひとりひとり席に呼んで、ニタニタして手渡ししてくれた。
会社の帰りに、池袋の駅近くの金券ショップですぐに現金に換えた。
CD代に消えたと思う。

新卒に入社3ヶ月でボーナスを支給する気前のいい航空会社も、その後経営破綻してしまった。
筆者が新入社員の頃、その待遇を聞いて「へー」とか「やっぱ有名企業はすごい」と感心した企業は、その後どこもかしこも具合が悪くなった印象だ。
筆者に、熱いもとい厚い待遇を語ってくれた皆さんは、その後どんなキャリアを歩まれているのだろうか。

社会に出て4,5年も経った頃、大手百貨店のそごうが破綻した頃には、「会社とは実に不安定でアテにならないものだ」と、筆者はすっかり理解した。
また同時に、大手に勤めようが中小に勤めようが、サラリーマンはサラリーマンの生態系で会社に生きる生物だとも考えた。
陸に生きる生物と水の中に生きる生物との違いもない。
棲み家の会社は、結局同じだ。
自由に呼吸でき、自由に移動できるのだ。
ミレニアム・イヤーの頃には、筆者は社名に拘りがなくなった。

さて、1995年春に話を戻そう。
1泊2日の研修小旅行は、筆者にはどうもピンとこなかった。
今振り返ってみると、新卒を初めて迎えた会社の気合いというより、気負いを全体的に感じる1週間でもあった。
2週目、3週目は西池袋のはずれの雑居ビルのオフィスに出勤してOJTとなった。
最初は電話のオペレーター。
H.I.Sなど格安旅行会社から海外ホテルの予約の受付けや変更、キャンセル業務。
個人もちらほら電話してきた頃だった。
端末をたたきながらの予約受付。
敬語を使い慣れていない筆者には、とてつもなく難しい業務だった。
(つづく)

新卒初年度、夏のボーナスは東武百貨店の共通商品券でした。

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