正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

【1社目】役職者が今そこにある危機的にキョンシーだった!

筆者が社内業務に異動して4ヶ月が経った。
1996年5月の話となる。
筆者は、その頃までには、80営業日連続でE課長に怒られ続けていた計算になる。
80つながりで、兼好法師の「徒然草」八十段目の一節がふと頭に浮かんだ。

百度ももたび戦ひて百度ももたび勝つとも、未だ、武勇ぶようの名を定め難し。
生いけらんほどは、武に誇ほこるべからず。

生きているうちは、武勇など誇ってはいけない。
百戦百勝しても、武勇の名声を得ることはできない。

80営業日連続で怒られようがなんのその。
当時の筆者は心が折れていなかった。
80日どころか1,000日連続で怒られても、無傷の自信は内心あった。
しかし、こんな武勇を誇ったところで何もならない。
池袋のカラスが「アホー」と鳴いてくれる程度のレベルだろう。

その頃、筆者と同期の男性が入社1年ちょっとで退職となった。
6名の同期の中で最初の退職者だった。
伊豆七島にある島に渡り、スキューバダイビングのサービス会社に転職するとのことだった。
春の陽が延びた5月の夕方。
オフィスの建付けが悪い出入り口のドア。
キーコーと開いて、バターンと重く大きな音をさせ、彼はにこやかな笑顔で去っていった。

「あぁぁぁ、若いっていいな!」
E課長の大きな声がした。
本当に心の底から羨ましがっていた。
心の叫びだ。
ちょっと、ちょっと、ちょっと待ってくれ!
E課長だって、当時まだ30半ば過ぎ。
十分お若いではないか!

筆者は、夢も希望も未来も感じないその心の叫びに、さかなクンではないが「ぎょ、ぎょ、ぎょっ」とした。
「これはヤバイぞ。」
筆者より10歳ちょっと年上の人間の発言は、自分の近未来が透けて見えてしまった。
「え、自分もすぐにこうなってしまうの?30代半ばで人生終了?」
筆者は年下と接して、「若くていいなあ。羨ましいなあ」と感じたことが、今現在まで一度もない。
我ながら幸せでお目出たくて結構だと思う。

当時はE課長の発言に、自分の近未来どころか、正に「今そこにある危機」を感じてしまった。
トム・クランシーの小説の主人公、ジャック・ライアンの如く、この危機を乗り越えなくはいけない。
筆者は職場をぐるっと、さらにぐるっと見渡した。
ジャック・ライアンは国際テロ組織や麻薬カルテルに囲まれていた。
一方の筆者は、絶望的に働く役職者に囲まれていた。
E課長、40代手前のC部長、40代半ばの課長、50代の部長。
「私は既に終わってます」と顔に書いてあった。
北斗の拳では、お馴染みの「お前はもう死んでいる。」
ケンシロウに指をさされた人間は、自分が死んでいる自覚はない。
こちらの役職者の皆様は、見事に自己申告してしまっている。
「私は既に終わってます」と.......

「もう、いやーん!」
皆さん、ゾンビですか。
考えてみれば、このゾンビさんは全員A社長が連れてきた連中だ。
行き場のない人間に、役職という名誉を与え、安く長く働かせていた。
「役職者全員キョンシーなら、せめて顔面にお札を貼らせてくれー!」
「もう、いやーん!」

そして6月となった。
筆者はE課長から担当業務の変更を命じられた。
出社した当日朝に突然だった。
「もう、本当にいやーん!」となるのだが、続きは次回以降に。

(つづく)

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