正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

【1社目】貴方の仕事は今日からコレとそれはある朝突然に!

1ヶ月ぶりに、筆者の1社目に話を戻したい。
新卒入社2年目、1996年6月からのストーリーだ。

その年の1月に、社内業務に異動になった。
幸運なことに、異動先で自分の仕事の強みを理解し、筆者なりの手ごたえを感じながら働いていた。
ところが、ところが。
上司であるE課長の不興を買ってしまった。
お蔭様で日課のように怒られた。
狭いオフィスに響き渡る、E課長のヒステリックな怒号。
1日3回、その形相は般若面の如く。
髪を振り乱し、連獅子の如く。

E課長の怒りの源泉は筆者にあるのではなく、大半は会社に対する不満からだった。
E課長が辞表を提出しても、辞めさせてくれない会社。
辞めることができない会社なんて、この世にありますか!?
ありました。
楽園のようなこの地球に存在していました。
筆者は在籍してました。
E課長は、社会に出てからずっと不幸そうに働いているご様子だったので、楽勝そうに楽しく身近で働いている筆者は目障りだったのかもしれない。
「谷川さんは天真爛漫でいいですね」と、よく嫌味も言われた。
当時の女性会社員は、職場で今よりもずっと酷い男女差別を受けていたはずだ。
なまじ仕事ができ、責任感もあったE課長。
長年鬱積した負のオーラを、全身から醸し出していた。

「私は結婚します!!!」
恐らく、(ほぼ100%)お相手がいないのであるにも関わらず、E課長の口からこんな仰天発言も度々飛び出した。
勤務時間中、唐突もなく宣言していた。
冷静に当時を振り返ってみると、E課長の精神状態は、お世辞にも良好ではなかった。
お年頃の女性が多数在籍していたので、E課長発言に職場はざわついた。
その頃、寿で退社される女性社員のご尊顔は、仕事では絶対に見せない笑顔があった。
確か、デキ婚が連続で続いたと思う。
また、既婚女性のオフィスでの発言には、"ふしぶし"に余裕を感じた。

いずれにしても、先輩社員がキャリア云々を語るような職場ではなかった。
その点は、筆者と同期の女性4人は可哀そうだった。
皆さん上位校出身で、地頭も良く、仕事もできた。
就職活動が氷河期でなかったら、この会社は彼女達に見向きもされなかったであろう。
栄えある新卒第1期生だったが、皆さん3年以内に退社された。
彼女達に応える仕事もなかったし、目標となる身近な先輩もいなかった。

話はやや逸れるが、就活生に「大手とベンチャーの違いを教えてください」と、時より聞かれる。
「大手と中小の違いを教えてください」と質問されないのが、いつも面白いと思う。
お堅い中小企業よりも、ブラックなベンチャーのほうが遥かに不安定だ。
大手やベンチャーは、優秀でモチベーションの高い人達が在籍しているイメージで、中小となるとその逆なのだろうか。
就活生の「成長意欲」のイメージに、大手・ベンチャーと中小との間に大きなギャップがあるのは確かのようだ。
「御社は手堅い経営をして安定している中小企業で、自分もこじんまりと安定した生活を定年まで送りたいと考え応募しました」と、志望動機を述べる就活生のイメージはないよなあ。
筆者の1社目の経験からも、成長意欲に溢れた上位校出身の優秀な新卒と、キャリアすら語たりもしない先輩社員とのギャップが大きかったように感じた。
中小企業が優秀な新卒者を迎えたかったら、まずは在籍社員の意識改革が必要ということだ。
一朝一夕では無理な話ではある。
採用や新人教育の部分だけを切り取って、大手の物マネをしても決して解決はしない。

さて、1996年6月のある朝。
筆者は何の前触れもなく、E課長に担当業務の変更を申しつけられた。
その朝、いつものように誰よりも早く出社し、3台のFAXマシンから溢れ出ていた受信FAXの束を整理した。
各担当の机に受信FAXの紙を並べ、自分の業務に取り掛かった。
しばらくして、いつものように不機嫌そうにE課長が出勤した。
E課長は筆者の机の横で仁王立ちとなり、ぶっきらぼうに「貴方の仕事は今日からコレ」とファイルの束を渡された。
筆者の新しい担当業務は、なんとなんと!ファイリング作業だった。
嗚呼、筆者の成長意欲が.....

(つづく)

 ファイルと穴開けパンチを見ると、今でも当時の記憶が鮮明に蘇る。

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