正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

【1社目】セールスガラスは鳴けないけれど泣くのは人生が無いからだ!?

96年当時、西池袋の街はカラスの楽園のようだった。
新宿の空も、明治神宮の空も、カラスが今よりたくさん飛んでいたと記憶している。
その後、石原慎太郎が都知事となり、増えたカラスは都の政策で間引かれた。

筆者は、種類を問わず動植物が好きなほうの人間なので、カラスにも興味がある。
池袋の駅からオフィスまでの道のりは、毎朝カラスの観察をしながら歩いていた。
ご存知の通り、カラスは非常に頭がいい鳥だ。
それなのに、なぜ頭の悪い歌に使われてしまったのだろうか。 freeterbutworkasafulltimeworker.hatenablog.com

 やたらとアクセスが伸びているこのページ。
『セールスガラス』は、知る人ぞ知る、カルト・ソングなのだろうか。
それにしても、どう考えても、頭のいいカラスとカラスの仲間に失礼な歌詞だ。
カラスのほうがセールスガラスより頭がいいぞ。
カラスは名誉棄損で歌詞を書いた人間を訴えるべきだ。
群れで集団訴訟を起こすべきた。

さて前回の続きを始める。
いよいよ初めての退職の話となる。
A社長に内線で呼び出されて社長室に入ると、パンフレットを手渡された。
それは研修案内だったが、手に取った瞬間に、脱力というかドン引きしてしまった。
あの『セールスガラス』の会社が主催している、富士山麓での2週間の教育訓練だった。
駅前で大声で歌わせたり、夜通し行進させたり、無理な暗記をさせたりする。
社員教育を研究する所という、社員教育研究所の社名は滑稽だった。

当時は、この研修の大きな広告が、それなりの頻度で日本経済新聞に打たれていた。
既得権に守られた特定の業界や、特定の経営方針の企業に需要があったのだろう。
洗脳といっては大袈裟だろうが、価値も機能もない精神論や根性論を有難がる研修なのだろう。
企業にとって望ましい兵隊や社畜を輩出する研修なのだろうか。

そういえば、今ではすっかりその広告を日経で見ることはなくなった。
バブル崩壊後、失われた20年を経て、精神論や根性論だけでは企業も人も生き残っていけないことにようやく気がつき、研修の需要が減っているからなのだろうか。
90年代は、頑張りさえすれば日本経済はすぐに復活すると信じ、高度成長期やバブル経済を懐かしむ人が多かった。
新年を迎えるたびに、「今年こそ日本経済復活」の文字が雑誌を賑わせた。
価値も機能もない精神論や根性論に払った対価は、景気の調整弁となる人材を産み、格差社会となって貧困のすそ野を広げただけだった。

当時社会人2年目の筆者は、社会で飯を喰っていけるスキルを身につけたかった。
最低限以上のマナー研修や、過保護な社員研修の類なもはゴミだと思っていた。(今でも思っている。)
社員教育が趣味な人には近づかないのが無難だと思っていた。(今でも思っているし、若者達には近づくなとアドバイスしている。)
当時のアホの筆者でも、この『セールスガラス』研修は、飯を喰っていくのに何の足しにもならないと、すぐに理解できた。

価値も機能もないものにお付き合いはしたくない。
A社長にすぐに参加の辞退を申し出た。
案の定、こっぴどく怒られた。
「C営業部長も、E課長も、お前と社員旅行でデュエットした課長も研修に行った。これはとてもいいものだ!」
「え。。。。。」と、絶句しかなかった。
どこにも転職できない3人。
皆に嫌われている3人。
A社長にこの会社に呼ばれ、肩書を与えらた代わりに社畜となっている3人。
夢も希望ない会社人生の3人。
そう思うと、頭がクラクラしてきた。
「いやその。私の勉強にもならないと思いますし、履歴書に書ける訳でもないですし、仕事で有能な人の経歴にありますかね。。。MBAとかならよくお見かけしますけど。。。宗教みたいで嫌ですね。」
と答えたら、さらに怒りが増幅したようで、
「行ったことなにのに何が分かる!!!」
と怒号を浴びせられてしまった。
「研修所は空気が綺麗なところで、飯も美味しいぞ!!!」
A社長は怒りながらら、訳が分からないことも言っていた。
社長命令を断る人間など、無論初めての遭遇で、A社長も動転していたようだ。

しかし、今こうして振り返ると、手前みそながら、よくこのレベルというか階層というか、底辺人材クラスから這い上がってこれたものだ。
筆者は這い上がれたので、今現在は笑い話として堂々と振り返ることができる。
一つ間違えば、筆者の人生を大きく狂わせたかも知れないことを、A社長は理解していたのだろうか。
(つづく)

セールスガラスでは青い大空を飛ぶことができない。

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