正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

【1社目】どこまでも噛み合わない終わりのない輪唱を止める退職届は軽いのか!?

キャリアの樹海からともかく抜け出したい。
当時はその一心だった。
それはとても簡単なことであると気がついて、自分の足で歩けばいいだけだった。

足があってもキャリアの樹海から抜け出せない、いや、抜け出さない人もいる。
兵隊キャラや社畜キャラのキャリアを多くの人は否定するけれども、それらのキャラにそれなりに多くの人がなっているが現実社会だ。
やはり、会社で生きていくのはたいへんなのであろうか?
実はそんな事はなく、兵隊や社畜キャラは自分の頭で考えないで済むようで、意外と居心地はいいようだ。

普通のサラリーマンでも、「うちの会社はこうだ」と、何気なく日常的に口にするけれども、それは会社が決めているのではなく、自分ではない誰かに決めてもらっているだけだ。
会社に人格も意思もあるわけではないので、「会社が決めた」とか「会社に裏切られた」と、言うこと自体が間違えだ。
会社を主語にしてしまえば、自分の思考を停止することができ、とても楽なのだ。
多くの人がサラリーマンをしている理由はここにあると思う。

そうして会社のカラーは、そこに所属している会社員の会話や行動の集合体から彩られ、会社という一種のムラ社会の看板にペイントされる。
彩りの方向性は、もちろん予め、「会社が決めた」される上(単数であったり、複数であったり)から決めらるので、社員自身が使える絵の具は限定的だ。
時折、まるで自分が会社のカラーを選んで決めているかのような立ち振る舞いをしている人物に出会ったりもするが、勘違いをしている人が多く、個人的には悲哀を感じてしまう。

経営者が好む絵の具を使う人材は、他社の色垢が付いていない、無垢な新卒がいいのだろうか。
設立浅いベンチャーが新卒採用を望むのは、そのような単純な理由からかもしれない。
筆者のこの新卒1社目も、入社時は設立3年半で、社員とアルバイト含めて15名程度の規模だった。
筆者を含め、新卒を6名も入社させた経営判断はどこにあったのだろうか。
結局は、6人全員が3年以内での退職となってしまった。
オブラードに包んではいるが、兵隊や社畜キャラに成長するように経営者が願っていることが透けて見えてしまうと、社員のほうは一気に白けてしまう。
また、新卒採用したことで、自社も大企業のような社会的要請を果たしてると勘違いや見栄を張る経営者もいる。
この場合、新卒社員はただの採用の道具に成り下がってしまうので、入社後のキャリア形成には十分に注意したいところだ。
会社に社員を育てる意思が薄い場合、アルバイトでもできる仕事を「修行」と称して延々とやらされる事になるかもしれない。
よく見極めて、20代の貴重な時間を無駄にしないほうがいいだろう。

また、「会社と一緒に成長しましょう」的な口説き文句も要注意だ。
大抵の会社の成長はどこかで止まるし、個人の成長よりも遅い場合もある。
会社の成長よりも、成長意欲がある人材がより多く在籍している職場を選ぶことのほうが大切だ。
「私たちは十分頑張ってきたので、後は君が頑張って会社を成長させてよ。私たち楽したいので。」
在籍サラリーマン社員からの「一緒に成長しましょう」は、このくらい割り引いて受け止めたほうが、後々不幸なことは起こらないかもしれない。

さて、兵隊キャラや社畜キャラへの強い要請をお断りした筆者は、1996年11月末で退職となった
初めての退職だ。
筆者から退職届を受け取ったA社長は、暫く机に目線を落としていた。
そして、「いろいろと噛み合わなかったな」と、ボソリと漏らした。
「はい。そう思います。」
最後ぐらいと素直に返事をしたら、ムッとされた。
A社長のほうも、最後にご本人なりの嫌味のつもりか、「君は軽いな」とやや強気に声を張り上げた。
このまま在籍していたら、C営業部長やE課長、社員旅行でカラオケをデュエットした課長のように、仕事人生がパーフェクトに終了してしまうではないか。
皆さん行き場のない人材で、社長がこの会社に連れてきて、役職を与えたのと引き換えに社畜としている人物達だ。
カラオケをデュエットした課長など、筆者が入社してまもない頃に、電卓を買って欲しいとお願いしたら、「その用途は?」と訊ねてくる桁違いの頭の悪さだった。
「数字を足したり、引いたり、掛けたり、割ったりしたいと思います」と、真面目に返答したのが懐かしい。
筆者は社長の「軽いな」をグッとこらえた。
どこが軽いのだ。
どこが軽いのだ。
どこが軽いのだ。
頭の中でぐるぐる輪唱しながら、頭を下げて社長室を去った。

(つづく)   

輪唱といえば、この歌。社長室で輪唱してはいけません。

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