正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

天職の前では副業が世知辛い響きに聞こえてしまうのは素人の小遣い稼ぎが現時点だからだ!

先日の北海道で素敵な出会いがあった。
釣りガイドを始めたばかりの若者くんだ。
道産子の彼は富士山も見たことがないそうだ。
長年お付き合いしているガイドさんのピンチヒッターで急遽登場し、半日ガイドをしてもらった。
川のコンディションがあまり良くなく、釣果にはあいにく恵まれなかった。

女満別空港までの帰り道、その若者くんになぜ釣りガイドを志したのかと助手席から尋ねた。
ハンドルを握っていた彼は、たどたどしくも自分の過去に遡り、筆者の問いに一生懸命答えてくれた。
とても純粋で素敵な志だったので、筆者はほんわりと感激してしまった。
釣り人口は年々下り坂だし、自然相手の商売はこれからますます厳しくなるだろう。
心から応援したいと思いながら、話の内容の心地よさも手伝って、しばし横で眠ってしまった。

その若者くんにとって、釣りガイドは天職だ。
そこには本業、副業といった区別が入り込む余地がない。
天職の前では、副業は世知辛い響きに聞こえてしまう。
色の違うノートPC3台を毎日毎日起動し、複業をしている筆者としては、天職に出会い、そこで専念している人が羨ましくなった。
本業があるから副業があるのだろうけれど、その境界線がぼやけてきた我が身なので、複業という言葉を充てさせてもらっている。
しかし、どれも天職と考えたことがない。
ただ、自分が人より得意であろうと思うことをやり、その成果に対価を支払ってくれる企業や人がいることをやっているだけだ。

サラリーマンの副業は昔からあった。
その昔は小遣い稼ぎと称して、コソコソとやっていた。
その昔、退社をすると、覆面して全身電光掲示板のようなサンドイッチマンの恰好に毎日着替えて、家まで1時間強の帰り道を練り歩いていた人がいた。
どこかの会社の宣伝だったと思うが、家のローン返済の足しにとやっていた。
筆者が社会人になった20年以上前、アクセサリーの輸入販売がばれた女性社員が、「うちは副業禁止だ」と社長にひどく怒られていた。
その社長は、筆者が毎日定時退社を目指して頑張っていると言えば、「早えな」と不機嫌になる人だった。
長時間労働を良しとして、勤務時間外も社員に自由を与えない、たくさんの企業の1社に筆者は新卒入社していた。
今になって思い返せば、筆者はその時に初めて「副業」という言葉に出会った。

今ではすっかり容認されてきた副業だが、副業のある働き方はサラリーマンを自由にしているのだろうか。
まずは本業があっての副業だが、肝心の本業は大丈夫なのか。

❝ 早期退職はや8,000人、次を見据える中高年 ❞

 日経の記事が眼に入る。
上場企業の早期退職が加速しているが、「次を見据える」とはずいぶんと建設的だ。
上場企業を捨て、プロアクティブに退職する中高年サラリーマンは多いのだろうか。
多くの人は会社の圧から「やむなし」ではないかと勘ぐってしまう。

大手に属していれば、容認、黙認に関わらず、副業をする環境は中小よりずっと整っているはずだ。
今から次を見据えるには副業はうってつけだと思う。
しかし、大手企業を退職して副業を本業にすることは、時間も能力を必要で、そこは入念な準備が必要だろう。

会社の経費で落とせる夜の飲食は、サラリーマンには十分な副収入だろう。
島耕作は、会社の金で楽しい夜を過ごしているだけだ。
自分の身銭を切らない遊興など、何が楽しいのだろうかと個人的には思う。
島耕作に副業は必要ないが、自分の財布と喉と胃袋の潤い程度の小遣い稼ぎの副業を考えている人もいるだろう。

また、残業代ありきで人生設計をしていた人にとっては、働き方改革で目減りした残業代の補填としての副業もあるだろう。
残業代などあてにせず、家族と多くの時間を過ごす人生のほうが楽しいと思うのだが。

こうして見てみると、副業の現時点はやはり世知辛い。

株式会社pringの調査によると、会社員の3人に1人が「本業以外の副収入がある」そうだ。

www.pring.jp

しかし収入源を見てみると、株式投資、FX投資、フリマアプリ、ネットオークション、クラウドソーシング、接客業や軽作業のバイトが上位となる。
懸賞への応募、パパ活・ママ活もありで、プロフェッショナルな専門職とは遠いところに副業はある。

そもそも厳しい自己管理ができなければ、本業に差しさわりなく副業をすることは不可能なことを、筆者は経験から理解している。
多くのサラリーマンが日々厳しい自己管理を課すとも思えず、やはり副業の現時点は、素人の小遣い稼ぎといったところだろう。

ええーい、筆者の目の前の3台のPCが恨めしいやら有難いやら。
お前は何でこんなに働いているのだと、自問自答をしてみる。
複数の仕事のいずれも筆者にとっては天職ではない。
平日深夜になると画面のスクロールに眼の焦点を合わせるのが厄介になり、週末も一定の時間を潰して働いている。
なぜだ、なぜだ、なぜなんだ!
それは、筆者は単純に働くことが好きで、働くことは最高の暇潰しだと思っているからだ。
さてと、目の前の仕事を喜んでやるだけだ。
待ってくれている人がいる。

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