(①からの続き)
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働き方改革で目減りした残業代の補填として副業が注目されているという。
副業をする動機は人それぞれだが、残業代の補填では動機として弱いのではないか。
ただし副業の定義が曖昧で、これからも曖昧であり続けるであろうから、副業の2文字の前にもう少し説明を付け加える意味での修飾語が必要となる。
「アルバイト程度」の副業なら、残業代の補填としての動機付けで十分なのだろう。
対価のベンチマークが時間外労働で支払われる「通常の時給×1.25」となるからだ。
ぶっちゃければ、昔からサラリーマンが会社に内緒でやっていたアルバイトが副業と看板を変えただけなのだ。
副業容認企業で就業時間外にアルバイトではちょっと寂しく感じるが、副業とすれば聞こえがよくなるのかもしれない。
筆者は若いころは薄給だったので、試しに自分の給料を時給換算したらアルバイトのほうが時給が上で愕然とした覚えがある。
その頃の筆者は今よりずっとアホだったので、社会保険料や各種費用を企業が負担してくれていることを理解はしていなかった。
社員は給料の倍以上のバリューを出してようやく企業に貢献できることなど知らなかった。
ただ単純に、正社員には我慢料が天引きされているのだなと考えた。
そして「正社員」であることの信用は、この我慢料から得ているのだなとも感じた。
さて、残業の代わりの「通常の時給×1.25」の対価が得られる副業は、そもそも長続きするものなのだろうか。
家のローンをとにかく早く返済したいので、社外アルバイトを必死で頑張る人もいるのかもしれないが。
それでも「残業代を稼ぐ」という意識が過去から全くない筆者には疑問が残る。
かつて残業代を稼ぐために生産性を落として働くサラリーマンもいると聞いた時は、びっくり仰天したものだ。
所属企業に対する甘えがあればこその社員の働き方ではあるが、企業側も長くオフィスに残っている社員に忠誠心みたいなものを感じ、両者にメリットがあったのだろうか。
現在進行形の「働き方改革」は、企業と社員の間に新たな距離感というか緊張感をもたらす事になるだろう。
「アルバイト程度」の副業でも社外なので、身内の甘えは通用しない。
当たり前だが、きっちりと対価に見合う成果を出さなければいけないので、ダラダラとしているわけにはいかない。
同僚と無駄なお喋りはできないし、適当に残業時間を誤魔化すこともできない。
生産性が低い働き方から産まれる残業という代物は、実は効率よく小遣い稼ぎができるシステムだと気がつくかもしれない。
そのような心理が働くと、「通常の時給×1.25」の対価の為に、社外で副業を続ける動機を維持できるのかは疑問のままなのだ。
個人的には家族と過ごすほうがずっといいと思う。
ならば、アルバイトではなく「プロとしての」副業は、本業よりもどれだけ稼ぐことができればいいのだろうか。
本業より倍から3倍の時給単価を得るのが、プロとしての副業ではないだろうか。
それを聞いて、副業が高くそびえるビルのように感じる人もいるであろうか。
(③に続く)
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