正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

在宅勤務があぶり出したもの

新型コロナウイルスの地球規模的外圧により、必要とする社員に在宅勤務がようやく認められたというか、企業が横並び的に全社員一斉に実施したような形となった。

それに従い、在宅勤務の心構えやら体調管理などのハウツー的な投稿も増えた。
仕事なのだから成果を出せばいいのであって、働く場所は問題にはならないはずだ。
オフィスであろうが、家であろうが、スタバであろうが、敷地内に桜が咲いているレストランであろうが、働く場所は関係ない。
かつての筆者には、北海道の釣り遠征先の定宿が最高に仕事の成果を出せる空間だった。

社員からの要請ではなく、青天の霹靂のように突然お上から降ってきた在宅要請で、経営者側も重い腰を上げた。
「うちの会社は社員人数分のノートPCが足らないので、リモートワークが簡単にできない」と教えてくれた人がいた。
社員を働きやすくするための投資もできないのか。

また、自宅を出てから自宅に帰るまでが勤務時間なのだ。
「家に帰るまでが遠足です」と、小学生の時に先生に言われたことを思い出す。
サラリーマンは、長い拘束時間に縛られた日常を送っている生き物だ。

在宅勤務は通勤時間が浮くので、この時間をどう使うかは社員個人の自由だ。
時間に余裕ができて、普段の生活が豊かになるのではないかと考えるのだが、苦労して通勤してますアピールができなくて困ると聞いた。
電車内で居眠りをしようがゲームをやろうが、長い通勤時間は就業時間の一部であり、毎日出勤するのは会社に対して忠誠心を示すものなのだろう。
在宅勤務は空間的、時間的格差をあっさりと埋めてしまうので、長い拘束時間の恩恵に預かっていた男性社員は追い詰められていくのだろう。
働きたい女性には、参入障壁の厚い壁の一つは取り払われたも同然だ。
あとは、紙書類の確認と押印のために出社しなければならないという、ハンコ文化を駆逐したいところだ。

今回のコロナ騒動で、テレワークを急遽進めた企業が付けた名前が『お試し在宅』なのにはちょっと笑った。
本格的に在宅勤務を推進されては困る男どもが名付けた、ささやかな抵抗なのだろうか。
いい歳こいたおっさんが、一生懸命考えたネーミングなのだろうか。

昭和の働き方の価値観を持つ経営者にとっても、眼の届かないところで社員はサボると疑うだろうから、『お試し』ぐらいにしとくかという胸中だろう。
同じ昭和の価値観を持つ上司も同様で、目に見える部下の勤務態度ばかりを評価しているので、目の前に部下が座っていないと評価できないけれども、そこもひっくるめて『お試し』でとなるのだろう。
在宅勤務中の社員を監視したいとWebカメラの需要があるのは、社員を信用していない上司や経営者、成果で社員を評価できない上司や経営者が存在するからだ。
『24時間働けますか』の世代には、容易に理解が難しいのかもしれない。
新型コロナの功績の一つとして、昭和の価値観上司に強制的にテレワークを体験させたことが挙げられる。
昭和上司は、家で働くことはオフィスで働くことよりも難易度が高いと、身を持って知ったはずだ。
働いているふりや管理しているふりをアピールできないし、成果を出さなければいけないと理解できたのではないか。

在宅勤務をスムーズに推進できる企業は、インフラ整備のお蔭ではなく、コンプライアンスと成果意識を持った優秀な人材を多く雇用できているからだ。
そもそも、自律した社員の成果を全うに評価できる企業なら、多くの管理職を必要としないだろう。
テレワークの推進は、中間管理職にとっては水死となる予感だ。
「サボらないように見張っている」ような管理しかできない人は、整理ポストに入るだろう。

それでも、日本のテレワークの現時点を知るにつけ、日系企業の管理職はまだもう少し生き残れそうな予感がする。
一部上場某企業の人から、在宅勤務日は何をしたのか毎日報告するのを義務付けられていると聞いて、中学校かよ思った。
売り上げ2000億円近くの一部上場企業でこれだから、もっと酷い小学校レベルの企業の話はいくらでも耳に入いってくる。
家でウンコをするのに離席するのでも、許可と報告を求められそうな勢いだそうだ。
「上司から許可の連絡がないと困るので、在宅勤務はオムツしています」と、Twitterにそのうち投稿があるかも知れない。

ところで、筆者は出社と在宅なら、迷わず出社を選ぶ人間だ。
通勤時間の長い勤務地では働かないポリシーだし、オフィスでの非公式のコミュニケーションは宝の山だからだ。
たとえ空っぽの空間でも、そこに人が集まれば新しい発見がある。
「長期戦覚悟」だが、コロナが早く収束しますようにと願ってやまない。 

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