新入社員は会社にとっては扶養家族である。
一日も早くなくてはならぬ人間になって欲しい。
リクルート創業者の江副浩正さんが新入社員に贈った言葉だそうだ。
35年以上前のことだ。
桜が咲く季節となると必ずこの言葉を見聞きするのは、クリスマスの時期になると山下達郎やマライア・キャリーの唄が耳に飛び込んでくるのと同じような感覚だ。
今でもこの言葉に刺さる人がそれなりの数いるからだろう。
先輩社会人には刺さっているようだが、当の新人には刺さるのだろうか。
キャリア一社目に大企業が支持されている理由の一つが、扶養期間を長く取ってくれるからのようだから、新入社員にもやはり刺さっているのかな。
しかし筆者には、この「扶養家族」が新社会人を馬鹿にしているようにしか思えてならない。
いくら仕事を知らない新人でも、一人の大人として扱うべきだ。
筆者が優秀な人材だったら、扶養家族と呼ばれたらカチンとくるだろう。
昭和の年功序列的な価値観からの優しさからなのかもしれないが、この令和では違う優しさが必要なのだと思う。
本当に優秀な新人を長く引き留めたかったら、なおのことだろう。
扶養家族を捨てる親はいないだろうが、新型コロナウィルスで内定取り消しをされている学生を見ていると、やはり企業の”疑似家族ごっこ”は令和には限界と思うのだ。
新卒採用は社会的要請と気が大きくなっていた経営者が、こりゃヤバいと扶養家族でもバッサリやってしまったのだろうか。
今後、学生と企業との間には新たなソーシャルディスタンスが生まれることになるだろう。
さて、筆者は自分の経験を踏まえて、新人の皆さんこの先輩社員達には気を付けてくださいと、ここに書き留めておきたい。
① 新人は扶養家族だから、飯を喰わせている私たちの言う事を聞けという態度を取る人
負け組です。以上。
② 私は貴方たちの、”おにーさん”、”おねーさん”です的馴れ馴れしいアプローチの人
〇〇さんも〇〇君もつけずに、下の名前で呼び捨てにしてくる人は、勝手に子分にしてくるので注意が必要だ。
社員教育が趣味で、将来何の役にも立たない「常識」を教えてくれます。
馬鹿丸出しのマウント人材に多いので、皆さんは絶対に見習わないように。
③ 「本気」や「圧倒的」を会話の中で多用する人
何もできていない自分へのリマインドなので、スルーしときましょう。
当たり前のことを当たり前にできる人が社会人最強なので、「本気」や「圧倒的」の修飾語は滅多に必要ありません。
④ 「この会社はそんなに甘くないんだ!」と言う在籍年数が長い中高年
甘い環境に安住しているタイプによくある発言で、発言とは裏腹に甘い会社だから生き永らえている人達だ。
会社にしがみ付くしかなく、新参者に邪魔をされたくない社畜や茹で蛙が多い。
それでは、夜に夢を見ずに、昼間に夢を見ましょう。
新社会人、おめでとうございます。