『10年で起きる変化が18ヵ月で起きようとしている。』
NHKのニュースウオッチ9に出演した、アメリカの国際政治学者であるイアン・ブレマー氏の発言にはワクワクした。
もうじき50歳を迎える人間にとっては、10年近くも寿命が延びたような気持になった。
このまま健康で過ごすことができるのであれば、見ることのできなかった10年先を、禍が見せてくれるようだ。
ただし、ワクワクすると周りに言っても共感してくれる人は少ない。
今はこの禍の渦中の中であり、この禍で苦しんでいる人が多く、不謹慎と言われかねないので、仕方がないところだ。
ウォルター・シャイデル著の『暴力と不平等の人類史』によれば、人類の歴史で不平等を解消してきたのは、戦争、革命、崩壊、疫病となる。
新型コロナ禍はまさにこの疫病となり、安易にワクワクしていてはいけない。
やはり、そっと自分の胸の奥にしまっておこう。
ただ、『人生100年時代』の幕開けと、お上から勝手に宣言された時のホラー感よりは、ずっとすっきりとした気分だとは申しておく。
『人生100年時代』がホラーとなったのは、引退したい年齢になったのに定年を迎えられない世代のほうではなく、その世代を職場で受け入れ続けなくてはならない世代のほうだ。
家に籠っている日常で、NHK BS1スペシャル 『欲望の資本主義2020スピンオフ ジャック・アタリ大いに語る』は、とても見ごたえがあった。
『確実な枠組みの中に、予測可能なことを置いて進めばいいのです。』
自分はスペシャルと考える天才に、筆者のような凡人が先んじるには、確実なことを考える力を養うしかない。
そして、天才より勝るには、天才を一瞬でも凡人にする機会を伺うことだ。
『なのに、多くの人が予測不能なことを口実にして、確実なことを考えるのを避けようとします。』
例えば、大企業に入社できたので、その企業は継続し、自分も安定した生活が続けられると考えるのではなく、企業はみずからを継続させるために、自分は早期退職になるとあらかじめ考えておくことが大切なのだ。
『一生懸命働いても、子どもにより良い将来が訪れるチャンスが皆無なら、その場合は革命が起きるでしょう』と、ジャック・アタリ氏は静かに語っていた。
日本はとても大人しい国だ。
風のない日の水面のように静かだ。
しかし、穏やかではない死を迎えようとしているのか。
禍の中の正社員フリーターとして、『こういう時って、やっぱもっとクリエイティブになるべきだと思うの』と仰せのYouTuberよりはマシなことを書いていきたいと思っている。
引き続きよろしくお願いします。