正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

正社員になりたくないなんて!?

貴方は「格差」を実感したことはあるだろうか。
私は正社員になること嫌がる人たちに接して、初めて格差というものを肌で感じた。
それは倉庫作業者を正社員で登用しようと会社が決めた時の話だ。
業務委託先や他社で派遣や契約の身分の倉庫作業者を自社で直接雇用して、しかも正社員で迎えようとしているのだろうから、破格の条件だった。
このようなチャンスは滅多にないから、当人たちは大喜びで正社員になってくれるだろうと思っていた。
もろ手を挙げて、正社員採用の面接に応募してくれた人もいた。
ところが、「ちょっと考えさせてください」という微妙な反応をする人たちもいた。
筆者は、一体全体何を考える必要があるのか、全く理解できなかった。
後日、30代前半の契約社員の男性がやってきた。
「あのう。自分には荷が重すぎので、辞退したいです。正社員になる自信がないです。」
啞然とさせられた。
「お前は何を言っているのだ!自分の将来を真面目に考えたことがあるのか!お前は何歳だと思っているのだ!そんな安月給でどうするつもりだ!こんなチャンスはもう無いかもしれないのだぞ!」
と、筆者は怒った。
その男性は説得して、応募してもらった。
提出した履歴書と職務経歴書を見たら酷い代物だったので、アドバイスをして書き直させた。
社長に面接させようと思ったが、「ブルーカラーの面接はしない」と、あまりにもふざけた答えで腹が立った。
代わりに人事との面接をして、何とか正社員に登用することができた。
そしたらこんどは、ちょうど30歳になる契約社員の男性が返事をしてきた。
「そんな無理しなくていいですよ。」
訳がわからなかった。
「お前、いい加減にしろ!」と、その男にも筆者は怒った。
その男は、家庭の事情で住民票がないことが分かった。
何とか住民票を取らせ、一生懸命に筆者は粘ったが、会社の回答は採用NGだった。
周りから見ていると、筆者は本人の為にいろいろ奔走しているのに、肝心の本人には正社員になりたいという熱意が薄かったそうだ。
この2人以外にも、30歳を超えた非正規雇用の男性数名に断られた。
「責任を負いたくないです。」
「きっと正社員になったほうがラクできるのでしょうけれども、今のままでいいです。」
信じられない回答で、とても腹が立った。
これが格差というものか。
怒りが過ぎ去り、こう思った。
「正社員」になることの恐れから、みずからチャンスを潰してしまうものなのか。
この壁は、どうしようもない格差という壁なのか。
筆者には見えていなかったものが、見えたような気がした。
一度も正社員経験のない30歳を超えた男性は、本気で人生を変えようとする事を止めてしまうのか。
なんともいえない気持ちにもなった。
振り返ってみれば、当時の筆者は怒ってばかりいた。
「お前らの人生それでいいのか!」と。
しかし、当人たちには大きなお世話だったのだ。
その後、筆者は会社を去り、一度は辞退されたが正社員になった男性に再会する機会を得た。
筆者なりに頑張って彼には正社員になってもらったので、当時の思い出話で盛り上がろうかと考えていた。
「当時のあなたは裸の王様だった。」
久しぶりに再会し、彼が私に面と向かって言ったほぼ全てがこれだった。
衣食足りるようになっても、礼節は知らない。
そのような人のために、筆者はやったのだ。

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