2年前の2018年の夏、筆者は48歳となり転職を考えるようになった。
最後に転職したのは45歳だったので、もう3年も同じ職場に居た時のことだった。
“1社を勤め上げる“という言葉を持ち合わせていない筆者にとって、3年は”もう“なのだ。
馴染みのエージェントに連絡した時、なぜ転職したいのかと問われた時に、「仕事が楽しい50代を過ごしたいから」と答えた。
それから2年後の50歳で転職したので、今回の転職には2年の時間を要したことになる。
転職する気が無くとも、履歴書や職務経歴書は年2回は更新をして、常に最新の状態を保つように心がけている。
転職する気が無くとも、少しでも興味があるポジションには応募をして面接を受けるようにしている。
リストラや早期退職になった人が、「最終出社の後、ゆっくり身の振り方を考える」と、応募書類すら準備するのが失業してからという場面に出くわすたびに、筆者は甘いと思っている。
偏見かもしれないが、転職経験が無い人にこの傾向が強いのではないかと思っている。
ゆっくりするのは転職先が決まってからすればいいのに、無職の期間が長いのはサラリーマンにとっては大いに不利であることをよく理解するべきだ。
40歳を超えれば、会社でのサボり方を熟知しているだろうから、入社してからいくらでも“ゆっくり”できるだろう。
さて、2018年の夏から50歳の転職を目指すことになったが、イマイチ筆者の気が乗らなかったことも確かだった。
2018年からは複業のほうが忙しくなり、“余裕のある”本業が貴重となってしまった。
お蔭で2018年に面接を受けたのが1社、2019年にも面接を受けたのが1社と、筆者には珍しくスローな動きとなってしまった。
「40代も後半になると、簡単にはお声が掛からないものなのかな」と、ちょっとは思ったりもした。
40代での転職は4回しているが、40歳、43歳、45歳で2回なので、いずれも40代前半でのことだ。
2019年には本業でチャレンジングなプロジェクトがあり、複業も順調で、次第に転職する気が薄れてきてしまったが、所属している部署の売り上げが3年連続でマイナスが見えてきた2019年後半には、己の心に改めて転職の灯火をともすようになった。
本業あっての副業(複業)なので、ぱっとしない本業では心もとないのだ。
オフィスで筆者より年上の50代のオワコンのおっさん達を見るにつけ、「嗚呼、こんな50代にはなりたくない」と、さらに心を引き締めた。
筆者は「会社にしがみつく」というお作法を知らない。
しかしながら、中高年の転職は難しい、たいへんだとよく見聞きをする。
40代50代の転職活動とは、多少の形や大きさの違いはあるものの、どれも代わり映えがしない干からびた干物の中から選ばれるようなものなのだろうか。
(つづく)