東京タワーの塗装が赤のままならずっと緊急事態宣って昨年は笑い飛ばしていたのに、今はなんだか切ない気持ちになってしまう。
昨年から筆者の予定をことごとく潰してくれているコロナ禍には諦めしかない。
3度目の緊急事態宣言が発出となった正に初日の4月25日は、歌舞伎座で勧進帳を楽しむはずだったのだが、見事にコロナは潰してくれた。
さらに、GWは遠出を遠慮して、東京国立博物館での『国宝 鳥獣戯画のすべて』のチケットも購入済みだった。
嗚呼、昨年から払い戻しばかりをしている気分になっている。
前回2度目の緊急事態宣言期間中は美術館も博物館も開催していたし、飲食店で昼間から酒が飲めたのに、今回の3度目はそれもダメということで、意気消沈してしまう。
美術館や博物館は我が心の精神の安定のためにあるというのに…
そして週末に昼間からビールを飲んで楽しいのは、複業者なので週末も本当は仕事をしなくてはいけないのだが、「生き馬の目を抜く」世界に生きてはいないので、その油断が楽しい。
人が酒を飲む理由は2つある。
一つは仕事を終えた時に喉を潤すためで、もう一つは仕事を終えていない時に、喉の渇きを事前に防ぐためだ。
仕事が溢れてもヤバいし、暇過ぎてもヤバいのが複業者。
どのみちヤバイので、ヤバイままでいいのだ。
それにしても、3度目の緊急事態宣言に向き合う心構えが難しい。
しかし、コロナ禍がなければ“昭和の働き方”がたった1年で変わることも無かったわけだ。
「通勤」「対面会議」「飲み会」と、“中高年が働いている気になっている三種の神器”を念には念を入れて潰してくれるのが3度目の緊急事態宣言と考えれば、まあいいか。
「世の中そんなに甘くない」と偉そうに言っていたおっさんやおばさん達に、今こそ「世の中そんなに甘くない」と言い返してやる番だぞ、若者たちよ。
世の中甘いから中高年が生きていけるのだ。
そこんとこよろしく。
しかし、やはり、コロナ禍は切ないなぁ。
3度目の緊急事態宣言の中の正社員フリーターは働くことしかやることがない。
東京タワーの塗装を赤から青や緑に変えてコロナ禍が消え失せてくれるのなら、本当に塗り替えてやろうかと考えてしまう。