上司としての自分を成長させてくれた部下は、根気強く話せば分かるなんて嘘と教えてくれた人たちだ。
例えばこのような部下は、「きっといつかは分かってくれる」と信じて100回作り笑いをして粘ろうが、宇宙人との交信に微かな望みを持つかの如く1,000回チューニングしようが、無理だと筆者に教えてくれた。
・自分と家族の問題を数えきれないほど全面に出してきた人
・出産して子供のお披露目で会議室を半日占拠した人
・就業規則をまるで暗記しているような人
・アッパー系コミュ障の人
このような人たちの三種の神器は、仕事外、就業規則、無自覚な本人となる。
仕事で成果を出してさえいえば、その人の私生活など知ったことではない。
しかし、たいして仕事ができていないエクスキューズとして、やたら私生活の問題を持ち出してくるいい歳をした困ったチャンはいる。
奥さんがメンヘラだの、子供が引篭もりだの上司に話して何の意味があるのか。
私生活がたいへんなので、要求されている仕事の成果を割り引いて欲しいと懇願しているのだろうか。
社内中がその人物の私生活の問題を知っている場合、ご本人自身で広めている場合が多い。
悲劇のヒーローやヒロインでも気取りたいのだろうが、あまりにも痛すぎる。
就業規則の権利ばかり主張してくる人物もウザったいものだ。
そのような人物の中には、行き過ぎるとアホな行動をしたりもする。
育休中にわざわざオフィスに出社してきて、就業時間中に会議室を半日も占拠して赤ちゃんのお披露目をしてしまう勘違いなお母さんもいる。
将来のモンスターペアレンツ候補なのだろう。
そもそもご本人が無自覚な場合、一生懸命話しても理解してもらえる訳がない。
その最たるがアッパー系コミュ障の部下だ。
ご本人がコミュニケーション障害であることに無自覚であるばかりか、自分が一方的に話をすることが好きなので空気も読めない。自分が正しいと自信満々で自己主張が強い。そもそも人の言うことを聞いていないし、周りから嫌われているのに構ってオーラが凄いのである。
どんな部下でも話せば分かってくれると豪語するのなら、是非アッパー系コミュ障の部下に対峙してもらいたい。
『常に今ある自分の一歩先でも、より高いレベルを求めて欲しいから、真剣に叱るのです』と、井村雅代さん。
部下を真剣に怒ってもすぐにパワハラと訴えられてしまうのが、所詮はサラリーマンの世界。
純粋な師弟関係を築ける世界があるのなら、それは無条件に羨ましい。
「いつか分かってくれる日がくる」「きっと気がついてくれる」と諦めずに向き合う姿勢を全て打ち砕く部下に出会うと、上司としてまた一つ成長できる。
それは、駄々っ子のように振舞えば自分に居心地のよい職場環境が与えられると勘違いしている部下を、チームや会社から退場させる段取り上手になれるからだ。