こんなキャリアを歩んできた人材コンサルタントに、あなたは転職を相談するであろうか?
-大学卒業後40歳までに有名企業を含み4社経験
-40歳から5社目は外資で半年経たずに退職
-6社目も外資でちょうど1年で退職
-7社目は自称ITベンチャーに入社したが、入社後1年半で会社が倒産手続き
-8社目も自称ITベンチャーで、こちらも同じく入社後1年半で会社が倒産
45歳から“経験”を活かし人材会社でキャリアコンサルタントを始める。
愚痴が「あのまま大手企業に在籍していたら、今ごろ楽できたのになぁ。僕と同じぐらいの年齢の大手の人はあまり働かず楽しているよ。我慢して一つの会社に長く在籍したほうがいいんだよね、日本は」と、子供2人抱えてこれから支出がかさむのか、スタバは高いと自腹では入店を敬遠をしている人物だ。
キャリアアドバイザー自身が自分のキャリアを成功させているとは限らない。
もし転職希望者がこの人物の経歴を知ったら、相談をする人は少ないだろう。
転職をするか否かは最終的に自分で決めることだが、その過程で誰に相談をするのかは“案外”大切なことだ。
“案外”とは、キャリアアドバイザーの口から発せられることを全面的に信じちゃダメよという意味が込められている。
特に20代は、他人からのアドバイスを鵜呑みにすると、結果として自分の転職の可能性を潰してしまうことがある。
筆者自身も20代に受けた転職アドバイスのいくつかには、あまり影響されないほうがよかったなと今になって振り返ることがある。
「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ」は、昭和の時代のキラキラした名言として知られているが、今の世は筋金入りの格差社会だ。
令和では下足番はずっと下足番から抜け出せない恐れがあるから要注意なのだ。
転職に関する咀嚼力を鍛えるには、転職のアドバイスをまずは疑うことから始まる。
「本当かな?」から新たな自分の転職の手段は始まるものである。
人材会社には寄り添ってもらうのではなく、商品としての自分を市場で売ってもらえばそれでいいのだ。
それには、結局のところは市場での自分の商品価値を知り、その価値の向上に努めることだ。
「自分より年収の低い人のアドバイスに耳を傾けない」と割り切った御人がいるが、今はそれはそれでありなのだ。