4月から新入社員は何者にもなれなかった(要は自称負け犬ってことか)先輩社員たちからの“役に立つ”アドバイスに混乱するだろう。
筆者は新社会人に“ためにならない”アドバイスとして、こう記しておこう。
「社会人1年目から40歳になったら早期退職制度の対象者になるものと理解して自分のキャリアを考えたほうがいい。」
その訳は?と尋ねられたらこう付け加えておく。
「企業にとって長く働きたいと願う社員は今や重荷。どんなにその企業を愛したところで想いは一方通行で終わるもの。セルフ・プロデュース支援、ライフプラン選択支援、ネクストキャリア支援、ニューライフ支援、特別転進支援は早期退職制度というリストラの各企業の呼び方だ。子供だましのお飾りのような冠をつけた制度に寂しさを感じるようなことになる前に、15年ちょっとの時間をかけて自分のキャリアを自分で切り開いたほうがよっぽど健康的ではないのか。それに40歳までに転職をしたことがある人とない人では、転職活動のスムーズさと新しい職場環境での慣れ方の差が歴然だと思う。歳を取ってから苦労するのも嫌ではないか?そう考えれば、転職があることを前提に社会人生活を始めたほうが気楽だし、転職市場での自分の商品価値を確かめながら眼の前の仕事に打ち込めるだろう。」
1社しか経験していない中高年が、「私の周りにはそんな人いませんね」と発言する様は、あまりにも世界が狭すぎて悲哀しか感じないときもある。
転職という選択肢がある風景はいいものだ。