この時期になると「新社会人に伝えたいこと」選手権が始まるが、ちょっと早く産まれてきたぐらいで偉そうにしている社会人の先輩たちの教えは適当に聞き流すぐらいで丁度いい。
「●●歳になってなって気がついた」と、気づいただけで偉そうにするのは、頭の悪い大人のすることだ。
気がついたが何も変わらない生き地獄を教えてあげたいのだろうか?
平成入社組には、不幸にも昭和の教えを叩きこまれ、その結果“どうしていいのか分からない”迷子状態の中年がいる。
特に90年代に社会に出た人は、バブル崩壊からの過渡期だったので、これからの社会を生き残るには完全無欠で役に立たない新人教育を信じてしまった人もいるので、とても哀れだ。
ただし、へんなプライドを持っている。
その一方で、自信がない中年なので始末が悪い。
迷走しているミドルを観察するにつけ、キャリアを通して身につけなくてはいけないのは謙虚さと自信だなと思う。
ところで、新卒1社目の経営者や先輩社員や外部研修講師なりからの教えを、40歳を超えても忠実に守っている中年が意外と多いのには驚く。
その人たちを見るにつけ、1社目の仕事環境はやはり侮れないものだと思う。
筆者自身を振り返ると、20代に一緒に働いた人たちは残念ながらレベルが低かった。
今はそこから這い上がっているから、その低レベルを笑う余裕がある。
筆者自身は全くありがた迷惑な教えに潰されそうになった経験があり、今振り返ると20代がキャリア最大の危機であり、まさに薄氷を踏む思いをした。
もし氷の下に落ちていたら、今頃は低所得者だった。
ぞっとする。
人間は何歳になっても変わることができると人は説く。
自分でそれを証明するのには、新社会人に伝えたいことではなく、新社会人から教わることだ。
歳下から学べる人は、いつまでも若く未来を切り開いていけるものだ。
残り時間が既に足らない中年は、ダラダラしていたら骨壺の中の灰になってしまう。