就職氷河期の煽りを喰って、２０代に就職活動を失敗した４０代を観察してしばしば思う。
２０代に社会人としての成長の機会を逸した人は、４０代になってもそのツケに苦しんでいると思うのだ。
幼さ、甘さ、だらしなさ、恨みや辛み、僻みが全身から溢れている４０代もいる。
私自身は「しつけ」という言葉が嫌いなほうの人間なのだが、例外的に２０代に社会人としての「しつけ」の訓練を受けられる機会は貴重なものだと思っている。
学校を卒業したら、自己実現など特に無くてもいいので、“とりあえず”程度の志で、正社員として一定の期間働くことは、ものすごく大切な経験だと“幼い”４０代と接触すると感じる。
日本が今よりも余裕があった頃、大学を卒業してから就活に納得いかなかったのか、なぜか２０代今さら遅い自分探しに燃えてしまったのか、短期間で退職をして、海外“遊学”に飛び出したような人材が４０歳を迎えてから苦しんでいるのは、英語ではない。
２０代の新入社員研修で習うホウレンソウとか、メモを取るとか、優先順位をつけるとか、そのようなビジネスの基本動作ができなくて苦労しているのだ。
相手が４０代なことを忘れて、２５歳と接しているつもりでビジネス基本動作を教えてあげると、眼から鱗のような顔をしてくれるのは実に微笑ましい。
４０歳を超えてからの幼さ、甘さ、だらしなさはビジネスでは欠点以外のなにものでもない。
その欠点を“自分の弱さ”の自己開示と勘違いし、全面に押し出してくる４０代の共通点は、20代にしつけられる機会がなく、自分探しの旅をした人たちだ。
｢ずるいですよね」と、他人が羨ましいのかこう連発する４０代は、ズルをする方法を一生懸命に探してきた自分探しの旅をしてきた人たちだ。
あいにくズルする方法が見つからず、無駄に年齢だけを重ねてしまった。
もちろん信用をしないほうが無難だ。
４０歳を超えても｢〇〇さんなら分かってくれると思った」と口にする人は、世の中に甘えて続けて生きてきた人だから、もう助けなくていいと個人的には思っている。
このように口にする言葉もだいたい決まっている。
４０代に突入してから自らを矯正できる人は０.０１％ぐらいなので、そのまま５０歳になるとホラー映画の中の住人となってしまいそうだ。
ならば、就職氷河期前のバブル世代は幸せなのかな？
「初めまして。子供が２人います。２人とも引きこもりです」と、白昼のオフィス、初対面でこう自己紹介したバブル世代もいた..........のだ。
どの世代もそれなりにたいへんそうではある。
