昭和の価値観で生きてきた昭和入社組や、昭和入社組から教育されてきた平成入社組のオッサンは、皆で一斉スタートの「よーい、ドン!」競争が大好きだ。
小学校からの受験勉強を勝ち抜いて、有名大学名を履歴書に書くのがゴールだ。
なので、生涯教育の概念に乏しく、社会人になってから学ぶことをしないし、大学院名は受験戦争を勝ち抜いてきたのではないと見なし、勝手に評価を下げてしまう。
社会に出たら、まずは就職活動を勝ち抜いて有名企業名を得ることが大切で、そこで転職せずに同期との出世競争に勝ち抜いて、黒塗りの役員車で通勤するのがゴールとなる。
脇道、寄り道、回り道の考えがなく、馬鹿正直に大勢が進む方向に向かい、そこで先んじた人間に価値を見出している。
他人の出世を僻んで「あいつは傍流からの出世だ」みたいなことを平気で発言してしまう。
単にアホなのだ。
そもそも、会ったこともない誰かが決めたルールに盲目的に従っているだけなのだが、それが嫌で自分で考えて行動することもしない。
この競争は、キャリアどころか人生までも自分を消耗品と考えなければいけないだろうから、どこかの段階で辛いものになってしまうのだろう。
だから仕事で病んでいる人が多いのだろう。
空を見上げれば、皆既月食の夜だ。
欠けた月は動きながらまた元の満月に戻る。
キャリアを誰かが決めたルールで消耗させるな、唯一の月のように輝きを回復させろ。
長いキャリア、空を見上げる余裕から始めたいものです。