この世の中は甘い。
なんだかんだ甘い世の中だから、みんな社会人ができている。
これから社会人になる学生の皆さんは余計な心配ご無用です。
甘い世の中なのに、転職者には厳しいのが不思議な社会です。
多重転職者は後ろ指をいつも指されてきた。
転職回数が多い人を信用できないと短絡的に決めつける人は一定数いる。
私も決めつけられてきた人間なので、これがよく理解できる。
人の心はなかなか変わらないけれど、時の流れは残酷で、いつの間にか転職をしたことがない人が追いつめられていることに気がつく。
ただし、1社専任転職未経験者の方は人間的にはマトモな人がそれなりにいる。
きっと真面目で、親や恩師からの昭和の教えを正として生きてきたのだろう。
日影者あるいはアウトロー、さらには社会不適合者の烙印までも押されそうだった多重転職者の立場が平成の終わりごろから好転を始めて、多重転職者同士で「転職したことがない人って追いつめられているよね」「うんうん」と令和の世になってから余裕をかますようになったのである。
多重転職者に先見の明があるわけでは決してないが、みずから動き続けていればいい時流に乗れる時もあるのだ。
さて、転職経験はあるけれども転職がもう今はできなくなった人は、どちらかと言えば凶暴になる。
どんな業界にも企業とその人材の格付けがあって、その中にはキャリアが詰みそうな転職者が流れつくキャスタウェイ企業がある。
こっちに漂着した人材のほうがヤバイ。
孤島から抜け出す転職に成功をした人のことを、一斉に手のひら替えしてボロクソに攻める傾向にあるからヤバイ。
漂流島から転職を決めた人は、退職届を提出してから最終出社まで粛々とやり過ごすことを強くお勧めする。
「次はどこの会社にいくの?」としつこい連中も必ずいるが、「虚無僧になります」とか「尼御台になります」とでも伝えておけばいい。
今の時代、キャリアは”漂えど沈まず”を知る人材が強いので、ぷかぷか浮いている多重転職者が求人の網に引っ掛かるのだ。