正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

新卒、採用する側について考えてみる①

今回は新卒を採用側について考えてみる。

重々ご承知の通り、会社で働くということは、学業とは全く関係ない素質や能力が必要となる。
『入社後の仕事の実績や評価と出身大学(偏差値)とは全く関係ないということ。』とは、日本電産の永守重信会長。
著名な経営者に改めて指摘されてしまった訳ではある。

当たり前なのだけど、就活生の社会に出てからの活躍度合いというか、仕事ポテンシャルを事前に推し量るのは、非常に難しい。
学生時代の能力やパフォーマンスをプロの土俵に乗せて、将来性を比較検討できるプロスポーツのようにはいかない。
例えば、プロ野球がそうだ。
他球団が気がづかない将来有望な選手を発掘し入団させるのが、プロスポーツのスカウトの醍醐味か。
隠れた将来の有望株を、他球団に知られることなくドラフト下位で指名できれば、上位指名のように高額の契約金や年俸を払う必要がない。
契約を安くあげた選手が次々に活躍してくれれば、球団はそのスカウトマンを”コスト意識がある超目利きのプロ”として手放さないだろう。
選手獲得のコスト削減分を、そのスカウトのサラリーに還元するのは大いに可能だ。

同じプロスポーツでも、競輪選手になるには競輪選手養成学校に合格しなければならない。
競輪学校入学には、自転車競技経験者の枠と経験のない適性枠があったかと思う。
自己応募で適性を試される。
その点は、就職試験と同じか。
アマチュアの自転車競技人口は限られているから、自転車競技の経験がないけども、身体的能力が優れたスポーツマン、スポーツウーマンに入学の間口を広げているのだろう。
スポーツという競技の枠組みの中で、同じ運動神経を基準としたポテンシャル採用か。
しかしながら、学ぶと働くほどの大きな違いは感じられない。

それでは、新卒の採用担当者の醍醐味は何かと考えるが、醍醐味どころか面白味があまりなさそうに見える。
新卒採用スケジュールは、政府からの 「採用選考に関する指針」 の要請がある通り、各企業横並びが基本となる。
そして選考基準は、まずは偏差値の高い有名大学からとなるようだ。
他社を出し抜ける空白の1日なるものはなさそうだし、セイバーメトリクスのような、就活生の新評価基準や新採用基準が提唱される訳でもない。
入社して実際に働いてみないと本当の適性は分からないので、あくまで勉強ができる偏差値という基準のモノサシで推し量ろうとする。
また、子供を有名大学に入学させる家庭は、それなりに経済力があり、それほど社会から外れた考えの両親でもないだろうと、想像もできる。
有名校出身というのは、候補者のバックグラウンドにも安心感を与えてくれそうだ。

役員の出身校からの応募者ぐらいの理由でも、立派な選考基準となるだろう。
なにしろ採用担当者は、候補者を選抜できるたいした拠り所を選考過程で見つけられないのだから、仕方があるまい。
野球のドラフトのように、スピードガンで150キロを記録したとか、ホームランを何本打ったとか分かりやすい実績がぶらさがっているわけではない。

永守会長の仰せに反して、やはり偏差値は採用担当者の拠り所だ。
筆者は、出身大学の学部どころか出身高校、はては出身中学の偏差値まで調べ上げる採用担当者に社内でお会いしたことがある。
また、他社の人事担当者から、「自分が現役時代に合格できなかった出身校からの応募者は、やはり優秀だ。」云々という類の話を聞かされたこともあった。
拠り所を通り越して、偏差値コンプレックスか。
こんな人事担当者ばかりなら、有名校の就活生には有難い。

(つづく)

 

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