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(④からの続き)
(4)会社と適度な距離感がある
40代50代で転職できる人は、会社と適度な距離感がある人たちだ。
愛社精神が薄い人と社内で思われるような人たちとでもいうのか。
彼ら彼女らは、会社に一方的な片思いをしたところでメリットはないことを理解している。
予期せず退職に追い込まれても「会社に裏切られた」と会社に人格があるかのような言い回しはしない人たちだ。
会社ではなく誰かに自分はクビにされたことを十分に理解している。
また、自分が能力不足のポジションで働いていることを内心は気づいていたり、社内や取引先から好かれていないことも日ごろから分かっているので、会社の裏切りと感じることもなく、退職もやむなしとサバサバしているものだ。
それゆえ、「会社は自分を悪くは扱わないだろう」などと、自分に都合のいい勝手な考えをしない現実的な人たちだ。
会社に対して自分に都合のいい考えの持ち主は、自分の置かれた状況を正しく把握して確認する作業ができない人が多く、突然に本当の危機状態に陥ってしまうので、ある意味“おめでたい”人たちだ。
人間はやはり危機意識がどこかにないと行動できない生き物なので、40代50代で転職できる人は、その“おめでたい”人たちよりも意識せずとも転職市場で先んじていることはよく分かる。
さらに、会社と距離感がない人は、ご本人に能力があっても、退職というプロセスを通しての“敗北感”のようなものが足枷となり、転職という競争でさらに遅れを取ることになる。
未来志向で前を向いて行こうと心を入れ替えようとしたところで、一つの会社と“べったり”の関係が長年身に沁みついた人が、その距離感を修正するに相当な時間を要する場合もあるのだろう。
退職してから数年も経つ前社を「我が社」と思わず発言してしまう中高年を見るにつけ、悲哀とともにそう感じる。
20年ぐらい前なら“根無し草”と揶揄されていた人たちのほうが、今では40代50代で転職できる人になっていそうだ。
精神的に中途半端な根を一か所で張るよりも、水に浮いている草のほうが移動しやすい。
それが令和の転職だと思う。
(5)自分に酔える
ポテンシャル採用というレバレッジがほとんど無い(全く無い訳ではないのでこう表現する)40歳を超えてからの転職は、面接に呼ばれる職務経歴書の中身が用意できるのが何よりも大切だ。
こればかりはご本人の今までのキャリアの努力の賜物でしかないので、ここでは取り上げることはしない。
次に大切なのは面接なのだけれども、40代50代で転職できる人は自分に酔うことができる。
もはやそれは20代30代の“面接の達人”どころではない、面接(だけ)の強者だ。
中年になり出っ張った腹をほんの少しの時間だけ息を止めて引っ込めることができるが、面接時間だけ自分に酔える人は本当に有利だと思う。
面接で自分に酔える人は、プレゼン力、説得力、巻き込み力といった対ヒトに強いので、面接官を短時間で魅了させることが上手だ。
逆に採用の失敗は、あまりにも対ヒトに強い候補者を採用してしまったゆえに起こる。
努力や忍耐、向上心や継続性や計画性のような対コトがまるでダメだったと入社後に分かることがある。
企業側には採用の失敗となるのだが、候補者にとっては対コトの弱点を補うだけの対ヒトを面接で魅せればいいのだから、面接を自分なりに研究する価値は十分にあり、実際の面接で練習を積むことは大切だと思う。
40代50代で転職できる人は、短時間だけでもナチュラルに自分に酔える人で、そのような人は損得勘定もなく意味のない嘘をつける人でもあったりする。
(⑥へ続く)
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