正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

【1社目】『お前が払うか?』クレーム返金

セールスガラスのダメージは大きかった。
当時の筆者は頭が悪かったが、頭の悪いなりに考えた。
この歌を聴かされる仕事環境と、そこに「いる」わが身を考えた。
無性に腹が立った。
頭が悪かったので、その怒りをどう解消すればいいのか分からなかった。
分かったことは、怒りとは、自分が「いる」環境を改善しようとする健全なもので、自らを行動させる原動力であることに気付いた。
ただ、当時の筆者は健全な怒りと、それ以外の怒りを区別することができなかった。

それにしても、オツムが悪い歌詞に登場させられて、カラスにはいい迷惑だ。
カラスは賢い鳥なのに。
平成の世も終わりを告げようとしている現在、この『セールスガラス』を歌わせている会社はあるのだろうか。
あればかなり余裕のある会社だ。

話を進める。
長野から帰ってきた翌週、C営業部長に出張報告をした。
長野駅から徒歩圏内の小さな代理店が、終始笑顔でよく話を聞いてくれた。
担当者は、C営業部長が以前訪問した際に置いて行った名刺を出してきて、わざわざご足労ありがとうといった具合だった。
その報告をすると、C営業部長は「ほんとかぁ?」と言い放ち、その後は悪口を続けた。
筆者は、ああいつものことだと聞き流していた。

2週間後、事件は起こった。
その長野の小さな代理店から、C営業部長宛にクレームの電話がだった。
ソウルの高級ホテルで予約トラブルになり、6名ほどの団体全員が宿泊できなかったとの内容だった。
悪いことにその団体は地元のお偉いさんの視察旅行で、代理店は相当なクレームを受けたようだ。
直近名刺を置いていった筆者ではなく、C営業部長に直接連絡が入った。
C営業部長はクレームは基本的に全てD主任に押し付けていたので、D主任が対応を始めた。
しかし、「あなたレベルでは駄目だ。社長が出てきて謝罪しなきゃ収まらない。」と先方はD主任に怒りをぶつけた。
『セールスガラス』 にクレーム対応の歌詞があればよかったのに。
2日ほど経ち、逃げ場のなくなったC営業部長がやっと対応を始めた。
最後は、C営業部長が長野まで40万円を持って謝罪と返金をしに行った。
当時は長野新幹線が開通していないので、1日がかりで出かけて行った。

「最後までお前呼ばわりで、ずっと怒られたよ」と、 翌朝C営業部長は疲れた声で言った。
こないだまでその代理店の悪口を言っていたのに。
「出かける前、社長に返金金額を言ったら『お前が払うか』と言われちゃってさ」と続けた。
「はあ、ふう」と後は溜息混じりのC営業部長だった。
筆者はその場では何も思わなかったが、後からじわじわ『お前が払うか』の意味を考えるようになった。
筆者ならどう返答したか考えた。
「自分が返金しても構いません。但し、会社として謝罪はしません。自分個人名で謝罪をしてきます。」
という返答の結論になった。

『お前が払うか』

それから筆者は、A社長の話を半ば適当に聴くようになった。
A社長が、お客様第一に考えるサービス業云々と申しても、筆者は白けて聴いていた。
A社長が日常的に社員の服装や礼儀作法を細かく気にしても、筆者は知らないふりをした。
ある月曜日の朝礼、「週末は妻と川越を散策した」と、A社長が川越の街並みの話をした。
仕事と何の関係があるのか。
筆者の耳はその一週間閉じたままだった。
筆者は次第に反抗的になりながら、新人初年度の1995年が終わりを迎えた。

 

社長、それを言ったらおしまいよ。

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