40歳を過ぎると「まあ、もういいかな」と考える人は本当に多いと思う。
筆者が新卒で入社した中小企業の創業副社長は当時42歳ぐらいだったが、「まあ、もういいかなと思う年齢になったよ」と、ボソリと言っていたのが、当時24歳だった筆者には印象的だった。
サラリーマン時代に長く海外駐在を経験したのちに起業をし、業界ではそれなりに顔を知られていた人物だった。投資稼いで30歳には貯金が1億円あったとか、外国人の奥さんと離婚したのち、15歳も歳の離れた美人と再婚をしたとか、その離婚の慰謝料で財産を失ったとか、傍目からその言動からも派手な人だった。
そのような御人であっても歩みが緩くなるのが40代なのだ。
しかし「まあ、もういいか」と割り切るのであれば、自分より若い世代、自分よりも仕事ができる人に大人しく道を譲ればいいのだが、そうもいかないのが40代50代。
何しろ金がかかる年代なので、役職と待遇をそう簡単には手放すことはできない。
年収1,000万は全く金持ちではないと、最も実感できる年代なのかもしれない。
ただし、年収を上げるための転職が難しそうなのも40代50代だ。
30代なら将来性を買われて大幅年収アップの転職ができるのに、40歳も半ばを超えると“まだまだ活躍できる場の確保”的なニュアンスの転職活動に様変わりしてしまう。
現役生活の長いアスリートを“中年の星”と持ち上げるが、絶えず活躍をしているので、そのポジションが確保されていることを忘れてはいけない。
ポジションが用意されているので、活躍ができているわけではない。
“中年の星”に憧れたのなら、今いる職場で活躍をして、さらに活躍できる場を求める転職という行動に移す人はどれほどいるのであろうか。
憧れの大半は憧れのままで、そこに行動が伴うことはやはり少ないのではなかろうか。
いや、他人を憧れることができるのはまだ余裕がある証拠で、それは現在の職場にソコソコ満足しているからとも言えるのではないか。
「勝手を知ったる緩い職場に留まるのは、着心地のいい暖かい服を脱ぎ捨てることが難しいのと同じだよ」と、教えてくれた人がいた。
脱ぎ捨て去る勇気のない人は筆者の真似はしなくてもいいが、是非とも筆者を憧れて欲しい(笑)。
何歳になっても転職とは、転職ができない人が否定的に捉え、転職ができる人は当然の権利として行使するもの。
「40歳までは勝つように、40歳を過ぎたら負けないように」とは武田信玄。
40歳を過ぎてから負けが込むと苦しくなるのが人生なのか。
昼下がりを過ぎて西日となった人生の時刻なら、自分の影のような伸びに伸びた成長がまだあってもいい。
筆者は40代で4回転職をして、このコロナ禍の最中で50歳になり、50代初めての転職をした。
今後随時このブログで40代50代の転職経験を書いていこうと思っているので、緩くご期待下さい。
(50歳の転職 一旦おわり)