転職という選択肢が無くなったら、その人の仕事人生は詰んでいる。
転職は職を変えるのではなく、会社を変えるだけの行動なのだけれど、それがサラリーマンには重要だ。
自分という商品を売れる状態にしておくことを怠ってはいけない。
そして当たり前だけれども、転職には相手がいる。
自分が転職可能な状態であっても、お相手となる企業のポジションが空いていなければ、転職はできない。
企業が間違った人材を採用してしまい、その後任を探すことなど予見することはできない。
「あの時の自分の決断は間違っていなかった」と、5年も昔の自分自身を思い出しながら、今手元にあるオファーレターにサインをすることもある。
どんな転職であれ、新しい職にありつけることはありがたい。
「転職をするのがめんどくさい」と思考停止なうちは幸せだ。
「この会社は私を悪いようには扱わないだろう」と、勝手な思い込みを始めたら危険信号が灯る。
30代からのキャリアの迷子はここから始まることが多い。
そのうちに、給料が上がらないとあからさまに嘆き出す。
自分の給料を嘆く人ほど転職をしないので、すぐに40代に突入する。
「40歳になったので、もう会社にしがみつくしかない」と寂しく宣言をした人もいた。
その人物がそれからやったことは、社内で自分より優秀な人物に嫌がらせをすることと、自分より優秀な部下を採用しないことだった。
転職をしない理由をつらつらと語る人物は、「部下を置いていけない」、「私は愛社精神があるから」、「私が今去ったら会社はどうなってしまうのだろう」と、下手くそで退屈な芝居を披露してくれる。
昭和の価値観も同時にショボく炸裂する。
「転職しないのではなく、転職できないのだろ?」
言い返せなくなったら、サラリーマンの仕事人生が詰んでいるだけだ。