正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

【1社目退職】第二新卒ラベルを貼り付けて求職者の陳列棚に並んでみた!

1997年の年が明け、当時26歳だった筆者は、第二新卒枠を狙って再就職を目指した。
第二新卒といっても、要するに、ほぼ未経験者のことを指す。
自分を転職市場における商品と考えた場合、27歳社会人1社経験5年目の人材と比べると、相当見劣りしてしまう。
当たり前ではあるが、それが当時の筆者の現実だった。
それでも未経験者ラベルよりも、第二新卒ラベルが貼られた商品のほうが見栄えが良さそうで、企業が陳列棚から選んでくれるチャンスが僅か広がりそうだった。

その理由を考えると、まずは第二の新卒なので、新卒とは大卒か大学院卒を通常指すだろう。
最低限の教育は受けていると企業の担当者は判断できるだろう。
次に、第二新卒は、就職している(就職していた)卒業生が有資格者のようだ。
学生時代に就職活動も経験しているので、社会人になるまでの既定路線からハミ出たイメージも少ない。
無職やフリーターのように説明を要する空白期間もなく、企業側に安心感を与えられそうだ。
そして何といっても、第二新卒を名乗れる年齢に制限があるのが大きい。
通常23歳から26歳までが第二新卒となるだろうから、20代前半のポテンシャル人材を求める企業にはフィルターをかけやすい。
一方で、職務経験がなければ17歳でも35歳でも未経験者を名乗れてしまう。
過去に1度も選挙に当選したことがない候補者が、何回でも新人候補と名乗れてしまうのと同じことだ。

大勢の求職者の陳列棚から選ばれるのには、楽して採用をしたい企業に判りやすい人材になる必要がある。
筆者は第二新卒に賭けるしかなかった。
当時26歳の筆者は、第二新卒を名乗れるギリギリの年齢だった。
半年経てば誕生日を迎えて27歳となってしまう。
一般的に27歳という年齢は、3年から5年の実務経験を積んだ上でキャリアの方向性を決める年齢だろう。
この年齢で第二新卒や未経験者は厳しいものがある。
たった半年の違いであっても、時の流れは残酷に人のキャリアに影響を及ぼすのだ。

また、何よりも失業期間が長くなるのは印象が悪い。
お金欲しさにアルバイトを始め、ズルズルとフリーターになることにも危険を感じていた。
「とりあえず今はバイトをしているが、景気が良くなれば正社員の職を見つけたい。」
当時そのような発言をする境遇の人達に出会い、筆者は焦りを感じていた。
「とりあえず」という曖昧な現状維持の容認と、いつ回復するか分からない景気頼みの職探しは、他力本願が過ぎると感じていた。
筆者は、「雇用の調整弁」として日本経済の犠牲者にはなりたくなかった。

「新卒で就職したけれども上手くいかなかった。今一度チャンスを下さい。」
面接でこうアピールできるのは今のうちだけ。
ヘール・ポップ彗星の接近も気になるところだったが、悠々と急がなければならなかった。

1月下旬か2月上旬発売の『週刊B-ing』で、米系日本法人の求人が目に留まった。
未経験者歓迎を示す初心者マークが付いた小さな求人広告だった。
その会社は営業管理を募集するという。
1社目の経験から、筆者は営業ではなくバックオフィス向けであることだけは理解していた。
希望職種も明確にあったわけではないが、営業管理なら何とか引っかかるのではないかと思い、早速応募を決めた。

予め書き溜めておいた履歴書と職務経歴書に日付を入れて、挨拶文を添えて速達で郵送した。
就職活動のお陰で、履歴書と挨拶文は不自由なく手書きをすることができた。
履歴書は空欄なく埋め、挨拶文にも自己アピールを怠らなかった。
職務経歴書のほうは、転職マニュアル本を参考に、購入したばかりのパソコンにインストールされていた一太郎で作成した。
速達にしたのは、積極的な応募の意欲を示そうと考えたからだ。

ここまでの段取りは順調のようだったが、筆者は面接対策を全く考えていなかった。
応募書類を投函した後にようやく気がついた次第だ。
前職で開眼した「他人は苦労しているのに自分は簡単にできてしまう」ことを、どう具体的に面接でアピールしたらいいのか。
また、短い期間での退職理由は当然ながら100%質問されるだろう。
自分の言葉で考えなくては!
普通郵便で送れば時間が少しは稼げたかなと焦っていたところ、1本の電話があった。
(つづく)

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