いつまでも自分が現役でいたければ、ご意見番の立ち振る舞いを止めること。
いつまでも自分の年齢よりも若さを保ちたければ、やはりご意見番の立ち振る舞いを止めることだ。
中高年の採用は、ご意見番でない人物であることを最優先で確認したい。
ちなみに「最後のご奉公」と口にする人物は、何故かたいてい老害だ。
65歳までの雇用機会の確保が国により義務付けられた。
60歳を超えても職場で活躍できる人物は、ご意見番の役割を果たすだけでは無理だろう。
立派に活躍している60歳以上よりも、オフィスの雰囲気を停滞させることに一役買った、あるいは所属チームをプチ崩壊までもさせてしまった60歳以上の人物を、残念ながら私は数人目撃してきた。
特にご意見番気取りの中高年は、自分が勘違いをしていることを単純に認めたくない人物が多い。
彼ら(全員男なので)の立ち振る舞いを通訳すると、要するに「オレの人生はこんなハズではなかった」ということなのだろう。
「今ごろは個室が与えられてふんぞり返っていたはずなのに!オープン・スペースに座り、眼の前に座っている若い奴はオレのことを気にも留めていないようだ」と、現実に落胆するのか。
昭和のサラリーマン的なゴミ屑のような価値観に縛られて、「チクショー」のアウトプットを連発するだけなのだ。
そのような人物に、後進を育てる精神などあるはずもない。
「よきに計らえ」とばかりに、何にもしないけどそれなりの給料をもらって、若手のやる気をいつの間にか削いでいる人物もいる。
陰で「おじいちゃん」と呼ばれてしまっているタイプがこれだ。
いずれにしてもよろしくないのは、対外的にそれなりの肩書きを企業が与えてしまっていることだ。
「部長」とかの肩書きは、最後のご奉公をするはずだった人物の安い自尊心を保つことだけに役立ち、ただ勘違いをさせてしまうだけだ。
まあしかし、「一兵卒として頑張ります」と謙虚っぽく年上に言われても、こちらはへんな気分になってしまうことだなあ。
それは、「この年齢になっても私はカツカツです。年下に与えるものなどありません」と聞こえてしまうからかしら?
へんなペーソスや若い者には負けん自爆テロ的雰囲気を醸し出していない、自然体な若さで心技体に余裕があり、教養の引き出しが多く、次世代の規範となる人物は、なかなかオフィスにはいないものです。
60歳を超えて他人に雇われることの難しさよね、きっと。