正社員フリーター × 複業のBLOG

出世を目指すのとは違う、自由に働く努力 それが正社員フリーター × 複業(副業)

拙著『積極的副業人材』 http://amazon.co.jp/dp/B08BNJP42X/ 出世を目指すのとは違う、自由に働く努力。それが正社員フリーター × 複業。誰でも、もっともっと自由に働ける。外資 × バックオフィスで自由な正社員を20代から実践。40代後半になって、働き方、転職、複業(副業)のアウトプットを始めたこの頃。働き方の流行には注意喚起もする。 Twitter @ISehaooooo

アルバイト程度の副業に使う時間があるのなら本業に打ち込めと「徒然草」が教えてくれている

2020年、このコロナ禍で副業は目減りした本業のアルバイト程度のモノに成り下がってしまった感があり、また社内副業という訳の分からない単語まで飛び出してきた。

副業ブームはすっかり終焉を迎えてしまったことは確かで、これからは副業(複業)できる人とできない人の格差も広がってくるのだろう。
初心に立ち返ると、本業あっての副業なので先ずは何より本業でプロになることが必要なのだ。

兼好法師の「徒然草」八十段目は副業に釘を指しているので、この年の瀬に振り返っておきたい。
人は成長しているようで、鎌倉時代末期の700年近く前と同じ所にいるようだ。

人間社会の発展を強制的に推し進めているのは時間であって、人間自身の成長ではないのかもしれない。

人ごとに、我が身にうとき事をのみぞ好める。法師は、兵(つはもの)のみちを立て、夷は、弓ひく術知らず、仏法知りたる気色(きそく)し、連歌し、管絃を嗜み合へり。されど、おろかなる己れが道よりは、なほ、人に思ひ侮(あなづ)られぬべし。

この八十段目の冒頭を、現代語に訳してみる。 

人は皆、自分の専門外のことばかりに関心がいく。僧侶が武術の道に励んだり、武士は弓の引き方も知らないのに、仏の心得がある様子を見せたり、連歌や音楽に打ち込んだりする。しかし、自分の専門分野をいい加減にして人に馬鹿にされる以上に、専門外のことに首を突っ込むことは、より一層、馬鹿にされるだろう。

これぞ正に「プロ論」でもある。

専門外にうつつを抜かすことなく、己の専門性を突き詰めることが肝要。
自分の仕事の出来栄えに執着し、一喜一憂すること。

社会人3年目ぐらいで、小遣い稼ぎの「副業」を考えているのなら、そのような浮ついた考えはすぐに捨てるべきだと兼好法師は教えてくれている。

突き詰めた専門分野を戦略的に幾つか持てれば、将来的にはより自由な働き方が今は広がる。

兼好法師は恐るべしだ。

世知辛い今の世で、プロとは何ぞやと時間を惜しんで人は考えている。

その一方で、暇を持て余していた兼好さんに、「つれづれなるままに」とズバリとその神髄を言い当てられてしまっている。

それはとても皮肉なことではあるのかな。

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