26歳、31歳、33歳、37歳、40歳、43歳、45歳x2回、50歳。
筆者の転職時の年齢を並べてみた。
20代よりも30代、30代よりも40代のほうが転職回数が多い。
我ながら攻めているなぁと可笑しくなった。
新卒で入社した会社を26歳で辞めた時、社長から頂戴したその時の餞別の言葉は、「君は軽いな」だった。
社長の蔑んだような眼差しは今でも忘れられない。
筆者はその10年後、筆者が36歳になった時、社長に近状報告を兼ねた手紙を送った。
今その手紙の内容を思い出すと、遠回しに社長の「君は軽いな」発言を批判した内容だった。
理解に苦しむ根性論の社風で我慢を重ねていても、今の暮らしはできないことだけは明白だ。
26歳でどうにか逃げ切ったことを思い出すと、今でも薄氷を踏む思いがする。
筆者のキャリアの最大のピンチは間違いなく1社目だった。
その後、30代半ばを過ぎてからも転職を重ねた。
お蔭様で、“35歳転職限界説”は全くの嘘っぱちであると、筆者は堂々と胸を張ることができるのだ。
まぁ、たいした自慢にはならないけれども……。
しかし、筆者はナゼに転職をするのだろうか?
所属企業からクビを宣告されての転職は一度もないが、左遷人事のような憂き目に遭っての転職は43歳の時に一度だけ経験がある。
しかし、その時も会社に留まることはできた。
前社よりも明らかに待遇を落としての転職は一度しかなく、それも自ら意図的にやったものだった。
その時は新しい経験を積みたかったので待遇を落として転職をしたものの、見事に失敗し、4ヶ月で早々に軌道修正をしたのだった。
45歳で転職経験が2回あるのはその為だ。
40歳を超えてからの転職は、周囲の驚きや羨望や嫉妬のようなものが入り混じったようなものになることを実感した。
42歳のころ、転職意欲もたいしてなかったけれども、大手転職エージェントに話を聞きに行ったことがあった。
出てきたのは当時の筆者よりも一回りは歳が若いキャリア・コンサルだったけれども、「もう失敗はできませんよね?」っと、筆者のキャリアを失敗のように決めつけてかかってきたのには驚いた。
全く無礼な男であったが、その後の顛末記はいずれ披露したいと思っている。
そのエージェントの社名の頭にはリクルートの名が付いていた。
さて、筆者はナゼに転職をするのかと考えているうちに、Twitterで為末大さんの呟きに出会った。
『人生の前半は努力すれば夢は叶うでいいと思う。でもどこかのタイミングでそれを客観視しないと人生が辛い。努力すれば夢は叶う→叶っていない現在の自分→原因は自分の努力不足。努力原理主義を抜けられなかった人は、こんな自分を許せなくて何かを呪って生きていく。』
そうだ、そうなんだ。
筆者はこの負のスパイラルに陥ることを恐れて転職しているのだ。
「軽いな」と馬鹿にされようが軽蔑されようが、それは大した問題ではない。
周りの中高年を見渡してみると、何かを呪って生きている人が多すぎやしないか。
そうはならぬように、何歳になっても転職ができる努力だけはしておいたほうがいい。